㉚かっこいい父親になりたくて、銀行員を辞めてプロボクサーを目指す ~キッチンの効率化~

初回記事「①息子に会いたい」

前回記事「㉙支店長からのお祝い」

目次

ボクシングをする為に一人暮らしを始めようと決めた時、何が生活の負担になるかを考えた。

金銭面の次に来るのがきっと料理だ。ものすごく労力を割かなければならない。

まず栄養のことを知らない。そして栄養のことを学んだところで調理方法を知らない。

本で栄養を学び、それをもとにネットで料理の手順を検索する。

その調理法に合った調理器具や食材を揃え、手順を見ながら料理をする。これをボクシングの練習後に毎日するのだ。絶対に膨大な労力がかかる。

ある人が言っていた。

「人はほんの少しでも面倒を感じた時、それを段々しなくなる。長期で継続したいならほんの少しの面倒をどれだけ取り除けるかが重要だ。」

料理は面倒。

さあ、どうすれば料理のストレスを少しでも省くことができるのか。

「栄養を勉強する」「調理法を調べる」

この二つは絶対避けて通れない面倒なこと。

しかし調理する環境だけはどうにかできるはず。これならお金を払って改善できる。それに料理面へのコストは決して無駄にならない。

調理に面倒を感じて外食することはきっとあるだろう。でもその外食をたった毎月一回抑えることができれば調理器具へのコストは回収できる。

料理で必要な要素。

・焼く

・洗う

・切る

これらから少しでもストレスを省くことが重要になる。

まず「焼く」

一人暮らし用の部屋は一口コンロの物件が多い。コンロが1口だと料理がしにくい。ここは絶対に二口ほしい。

フライパンも少し大きめでテフロン加工必須。更に鍋型で底が深ければいろんな調理に対応できるはず。「焼く」の部分に関してはこれで十分だ。

続いて「洗う」

一人暮らし用の部屋はシンクがとても小さい。あれは一体なぜなんだ??

ここに関しても二口コンロの部屋を選べば大体は大きいシンクを用意してくれている。

これも解決の方法が簡単に見つかった。

最後に「切る」

これは思い切ってお金を使ってよかった。

初めは100均の包丁を使っていたが、高い包丁を使い始めてから世界が変わった。

まず玉ねぎを切る時に涙が出なくなった。

これには驚いた。切れ味の鋭い包丁にしてから涙が出たことが無い。

安い包丁を使うと、玉ねぎを切った時に細胞を押し潰して涙を引き起こす成分を空気中にばらまいてしまう。しかし鋭い包丁は押しつぶすのではなく綺麗に切断する。例えみじん切りしたとしても涙は全く出ない。

涙にストレスを感じて玉ねぎを具材から外すこともあっただろう。しかし腸内環境を整えてくれる玉ねぎを外すことなんてできない。

包丁で玉ねぎ問題は解決。

切れ味の鋭い包丁は栄養の面でもメリットがある。包丁で細胞を押しつぶすと、切り口から栄養が漏れてしまう。切り口がきれいだと細胞がつぶれないので栄養が外に逃げない。これはスポーツをする上でとても大切なことだ。

他にも子供がいる家庭ではピーマンの料理を作った時に変化を感じるらしい。

安い包丁でピーマンを切ると、これも同じく細胞を押し潰してしまう。そのせいで苦み成分が染み出てくる。しかしきれいに切断すると余計な苦み成分が出なくなるので嫌いだったピーマンが食べやすくなるのだ。 

確かに包丁を変えてから料理がおいしくなった気がする。

料理の効率も飛躍的に上がった。

100均の包丁だと3回くらい押し引きして切っていた(押しつぶしていた?)が、鋭い包丁だと1回でスッと切れる。しかも軽い力で。

単純に食材カットの時間が3分の1になる。これはありがたい。時間が短くなった分早い時間に寝れる。

それに軽く切れる包丁は力が要らないから刃先が安定している。刃先がズレないから手を切るリスクが一気に減る。

ボクサーにとって手は大事。

子供の頃、漫画ワンピースで日本刀に注目しているシーンを見た。それ以来日本刀に少しずつ魅力を感じ始めた。

知っているだろうか、銃を日本刀に向けて発砲すると、弾丸が真っ二つに切断されて飛んでいくのだ。

作り話ではない。鉄で鉄を切る、漫画の世界が現実にある。

日本の刃物はそれくらい洗練されている。そしてこの技術は包丁に継承されている。

包丁も弾丸を切ることができるのだ。

この切れ味を今も引き継いでいるのが堺市の包丁だ。

堺市の包丁は日本刀のように鋭い。聞くところによると、料理職人と呼ばれる人たちのほとんどが堺市で作られた包丁を使っているらしい。

堺市で作られる包丁の特徴は工場の機械で大量生産しているのではなく、一本一本熱くなった鉄を人の手で叩いて作っていく。

日本刀を作る時に見られるあの光景だ。

この工程が切れ味の鋭い包丁を作り上げるのに絶対必要らしく、堺市の包丁はそれを今でも行なっている。

堺包丁は世界でも人気がある。

前にあるフランス人と会話したのだが、お土産に堺包丁を4本も買っていた。切れ味が全然違うらしい。

運よく私は大阪に住んでいる。

大阪府堺市。

買い物に行ける距離だ。

職人さん達の包丁が集められているところにわざわざ足を運んで見に行った。

高価な包丁が勢ぞろい。

むしろありすぎて困った。

包丁には大きく分けて

・三徳包丁

・菜切包丁

・剣型包丁

・ペティナイフ

とあり、何を切るかによって分かれるみたいだ。

野菜、肉、魚、家庭料理でオールマイティに使いたかったら三徳包丁。

包丁の素材も目的によって変わる。

鉄やステンレスなどいくつかあるが、錆びにくさを重視したかったらステンレス。

これらのことをたくさん教えてもらい、特に料理人でないのであれば1万円代の包丁で家庭料理は十分満足できると教えてもらえた。

福沢諭吉と包丁を交換する予定なんてなかったが、使ってみて思ったことは「やっぱり買ってよかった。」

諭吉以上の価値があった。

本当に料理のストレスが激減した。

何なら食材カットを今では楽しんでいる。スッと切れるとものすごく気持ちいい。

おかげで外食する機会が一気に減り、家で健康的な食事を安く食べ続けることができた。

ところで、高価な包丁を買ったら絶対にしたいことが一つあった。

それはトマトに手を触れず包丁だけで切る。

切れ味のいい包丁にしかできないことだ。

もし包丁にこだわったことが無いのであれば、まずは下のリンクから跳べる堺包丁で十分だ。

野菜、肉、魚、家庭用料理としてオールマイティーに使える三徳包丁。

素材はさびにくいステンレス。

値段も1万円代で打倒。

包丁にこだわれるのは日本人の特権だと思う。日本料理が世界で愛されているのも包丁のおかげかもしれない。


※毎週火曜日の夜に新しい記事を更新しています。

次回記事「㉛生活リズム」

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