夏場、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなんかに行くと、熱中症対策として塩キャラメルや塩飴なんかが販売されています。これらは本当に熱中症対策になるのでしょうか。
個人的な意見ですが、結論から話すとこれらの塩シリーズはあまりお勧めではありません。コストはかかりますが値段の高い塩をお勧めします。アジシオや塩シリーズの商品は体にとって毒になる可能性があります。
・塩のつくり方
皆さんは塩がどのように作られているかご存じでしょうか、またどこで摂れるかご存じでしょうか。
特に意識したことがない人でも、海の水から抽出して作るんじゃないかなと予想はつくでしょう。海水を海辺の塩田というところで蒸発させ塩を抽出します。以前テレビ番組の企画でオリエンタルラジオの中田敦彦さんが海水から塩を抽出していましたが、大量の海水を蒸発させても抽出できる塩はほんのちょっとだけでした。しかも時間がかかります。塩を作るのは本当に大変なことなんです。
ちなみにこれは余談ですが、「敵に塩を送る」という言葉、海側を領地にしていた上杉謙信が、内陸を領地にしている敵国である武田信玄が塩不足で困っていた時に塩を送った逸話が基になってできた言葉です。
このように塩は海からやってきます。岩塩も海底が地殻変動で隆起するなどして陸上に閉じ込められたものです。結局は海からですね。
・アジシオと天然塩の違い
スーパーで売られている塩を見ると、見た目が全く同じなので高い塩も安い塩も同じように見えます。塩にこだわっている人でなければ味の違いなんて判りません。料理に入れるとなおさらです。なのでついつい安い塩を買ってしまう方も多いかもしれません。では一体何が違うのか。簡単にいうと栄養素が違います。塩の栄養素を重要視されている方は少ないと思いますが、これはとても重要です。スポーツをしている人や高血圧が心配な人にはなおさらです。
これからお話する内容は以前にお話した砂糖と内容が似ています。
塩や砂糖に限らず自然界から採れたものには必ずミネラルが含まれています。人間が進化する過程でビタミンだけ、塩だけ、砂糖だけ、鉄分だけ、タンパク質だけの食品を口にすることはありませんでした。タンパク質を取るための肉には必ず塩分、糖質、ビタミン、鉄分等、様々な栄養素を含んでます。これらの栄養素が相互に働き合ってタンパク質を吸収することができます。ミネラルの無いタンパク質は体が吸収できず、むしろ健康を害することになります。
塩も一緒です。海にはミネラルが含まれており、海から採れる天然塩には当然ミネラルが含まれています。しかし日本では20世紀中ごろから機械や薬品を使った塩の採取がメインになってきました。
元々海にはゴミや不純物が混ざっています。これらだけを取り除き塩とミネラルだけを残すというのはとても手間がかかる方法でした。人口増に対応するために塩を素早く大量生産すること、健康への影響を考慮するという建前で国からの規制が入り、1990年代まで一部を除き工場での塩の生産しか認められませんでした。
こうして出来上がった塩がミネラルが無い塩、つまり塩化ナトリウムです。一気に市場に広まりましたが、それにより高血圧なども増えました。
ここからがとても大事なところです。本来人間の体には塩分を摂りすぎると体外へ排出しようとする機能があります。塩を摂りすぎると喉が渇くはずです。しかしミネラルが無い塩化ナトリウムのみの塩は体のこの機能を鈍らせます。ミネラルを含む塩に比べて喉が渇きにくいのです。これにより知らない間に体の塩分濃度が高くなり病気を引き起こしやすい状態になります。
たまに耳にする話なのですが、夏場の現場仕事で大量に汗をかくからと意識して塩を摂るようにしていると、結果的に塩の摂りすぎで倒れたという人がいます。どんな塩を取っていたのか聞いてみると、やはり安い塩でした。塩を摂るのは確かに大事です。しかし手ごろな塩を取り続けると危険です。できるだけミネラルを含んだ塩を摂るようにしてください。
天然塩の中でも下のリンクで貼った天日干しで摂れた塩が特にお勧めです。