初回記事①息子に会いたい
前回記事㊷減量始める
試合は2021年8月8日。
6日前の8月2日、もう一度スパーリングのチャンスが訪れた。
うちのジムでは怪我をしないように1週間前にはスパーリング練習を切り上げる。
この時期から減量が本格化し、人によっては漫画みたいな壮絶な減量が始まる。
そんなヘロヘロの状態でスパーリングをするととても危険。
しかし自分の場合はその壮絶な期間でさえスパーリングがしたかった。それほど仕上げることができていなかったのだ。
肋骨はまだ完全に治っていない。
会長「岡橋のボディーは打つな。怪我が酷くなるから」
そういった配慮のあるスパーリング練習。
まだ胴体にコルセットを巻いており、痛々しい練習。残り6日で完治することは無い。何なら今まさに栄養不足の期間だ。骨がくっつくはずがない。
このスパーリングの後は試合が待っている。試合を終えたらボクシング生活は終了。今までほんとよく頑張った。
人と殴り合うなんて怖くてできなかった。スパーリングも本当は好きではなかった。
夜型人間なのに朝から走り込みをして、ぶよぶよだった体を一気に絞り、体を削りながら動かない体にムチを打って前に進み続けた。自分自身の底力を味わえた。
くじけそうになったとき、自分のそばで励ましてくれるのはいつだって過去の自分。
「お前はあの時こんなことくらいで終わらんかったやろ、もっとできる!!」
この経験はきっと将来自分を助けてくれる。銀行員をしていたら決して味わうことは無かっただろう。給料以上に大きな経験を手に入れた。
このスパーリングが最後。
よし、精いっぱいいこう。
パンチが見える。ガードができている。ディフェンスから攻撃を仕掛けることができる。パンチも速くなった。
今リングの上に立っても堂々としている。できることもいっぱい増えた。調整は上手くいかなかったが、振り返るとずいぶん成長したものだ。
これが終わったらあとは体重を絞るだけ。
試合までもう少し。
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