健康について ダイエット編その5 ボクサーの減量メニュー

まず初めに私はプロボクサーでした。今は引退しています。この時の経験をもとに減量時のメニューを紹介し、ダイエットに役立つ知識を発信してみようと思います。

高カロリーのメニューでも痩せられる

ダイエットを始めるときカロリーを気にされる方が多くいます。「カロリーが高い食品は太る」そう信じて高カロリーの卵を控え、油を摂らないようにしていますが、カロリーだけで食品を選んでもいいのでしょうか。

少し驚くであろう写真をお見せしたいと思います。この写真は試合前の減量中、実際に毎晩のように作っていたメニューです。

カロリーだけに注目している人には信じられないでしょうが、高カロリーの卵と豚のステーキがあります。

特に左のお皿の豚のステーキの上には牛脂が乗っています。更にお皿の底にも牛脂が溜まっており、余った牛脂は味噌汁に入れて全て飲み干します。牛脂を飲む、聞いているだけで気持ち悪くなりそうですね。

どうでしょう、ものすごいカロリーです。写真ではわかりにくいですが食事量も多いです。後ろの黒い茶碗は味噌汁用のお椀ではなくどんぶりです。毎晩お腹いっぱい食べてました。量が多く、高カロリーの食事を夜に取ります。朝ではなく夜です。しかも減量中。

嘘のように感じるかもしれませんが、普段の食事より何倍もあるカロリーを減量中に摂ります。これが私の減量メニューです。このメニューを続けていくと日に日にげっそりしていきます。

ボクシングを辞めた今でも、「少し太ってきたなー」と感じたときは上の写真のようなカロリーたっぷりのメニューを組みます。

ダイエットを決心した方でなくとも、牛脂を飲むほどのカロリーを摂る勇気はないでしょう。

でもここで一度立ち止まって考えてみてほしいのです。本当にカロリーで食事メニューを考えなければならないのであれば、ポテトチップスと玄米を同じカロリー分だけ食べると同じように太るのでしょうか。チョコレートと鶏肉を同じカロリー分だけ食べると同じように太るのでしょうか。

同じカロリーでも太りやすさは全然違います。

食事で気を付けるのはやっぱりインスリン

上記写真でもう一つ注目していただきたいのは米がないことです。米だけでなく糖質がないことです。前の記事でもお話しましたが、肥満を回避したいのであればインスリンが分泌されにくいメニューを組む必要があります。

インスリンは血糖値が高くなったときに分泌されます。そして糖と結びつき脂肪として蓄えられます。

このインスリンの分泌さえ抑えることができれば肥満になる可能性をぐっと下げれます。

このことから減量中はお米をメニューに入れておりません。

また、糖と油を同時に摂取すると特に脂肪がつきやすくなります。もし焼き肉を食べに行って満腹まで食べたいのであれば、できるだけライスは注文しないことをお勧めします。

糖質カットのし過ぎは不調の原因

糖質をカットする際、気を付けてほしいことがあります。必要以上に糖質をカットしてしまうと体に支障が出ます。単にエネルギー不足になるだけではありません。

極端に糖質をカットしてしまうと不眠症に陥る可能性があります。実際減量中に不眠症を経験し、原因がわからず焦ったことがあります。

お腹が空いて寝つきが悪くなったのではありません。先ほども述べたとおり寝る前に満腹になるまで食事をとっています。

原因は自律神経のバランスが崩れるからです。自律神経と聞いて難しそうだと思った方は少し読み飛ばし、「ダイエット中に不眠症になったら糖の不足を疑う」とだけ覚えておいてください。

自律神経は2種類あり、リラックスしているときに優位に働いている副交感神経、活動的に動いているときに優位に働いている交換神経があります。この神経を上手く切り替えることで精神や生活リズムが安定します。

糖は人間にとってのエネルギーです。糖が枯渇すると糖を手に入れようと体が活動的になります。糖が不足している状態では脳が安心できません。リラックスするための副交感神経にうまく切り替わることができないのです。これにより寝つきが悪くなってしまいます。お腹を空かした肉食動物がどう猛になっている姿を思い浮かべると納得できるかと思います。

また自律神経が乱れるとてんかんなどを発症しやすくなります。糖質をカットしすぎるとこのように体に不調がでてきます。

運動している人は糖質カットのし過ぎに特に気を付けてください。エネルギーが足りていないと体は筋肉を分解し、タンパク質をエネルギーとして消費します。試合前の減量期間中、糖質を大幅にカットしていたので筋肉がどんどん小さくなっていきました。今までカッチカチだった力こぶがプニプニになってしまい、鍛え上げた体はどこかに消えてしまいました。同じジムで練習していたボクサーが減量期間末期には「筋肉を溶かして」体重を落とすと言っていました。まさにその言葉通り、私の減量でも筋肉は溶けてしまってました。

試合の数日前、こんなに柔らかくなった体で本当に戦えるのかと心配していました。計量は試合の前日に行われます。計量にさえ通ってしまえば、試合開始時までどれだけ太ってもペナルティはありません。ですので計量が終わってからは炭水化物中心の食事をとり続けました。すると試合開始時にはいつも通り張りのある筋肉に戻っており、炭水化物の大切さが身に染みたのを覚えています。ちなみに私の体重は試合前日の計量時56㎏、試合当日は61㎏。たった一日で5㎏も体重が増えました。選手によっては1日で10㎏近く体重を戻すボクサーもいます。それだけボクサーは無理な減量をしています。

現代人は糖を摂りすぎています。日本人の5人に一人は糖尿病、もしくは糖尿病予備軍と言われています。しかし逆にカットしすぎるとそれはそれでよくありません。必要な糖の量は人によって違います。ダイエットの際は低血糖、不眠症などに気を付けながら少しづつ糖を少なくしてみてください。摂りすぎた糖を正常の量に戻すだけできっと無理無くダイエットができるかと思います。食事の組み合わせも満腹感の感じやすいタンパク質を多くとるように意識してみてください。


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